マニピュレーション Vo11 No.1 ( 1996.2 )

気功の外気治療とバイオスペクトル医学

工学博士 廖赤虹
博士課程 廖赤陽

気功師の出す「外気」に準ずる電磁波「バイオスペクトル(生体輻射)」により各細胞や組織をバランスよく活性化できるという。気功の治療原理に基づいて、いわば人間にとってバランスのとれているエネルギーを照射して、治療効果を上げるというバイオスペクトル医学とは――

1、気功の外気治療
  気功の外気治療(以下、外気治療という)は、気功師が患者に対して「気」を出して行う治療である。その驚異的な医療効果はすでに広く知られ、かつ認められている。周知のことではあるが、従来の治療法に比べ、気功治療は以下の特徴を持っている。
   第1、気功治療は意識(念力)を使う。これは従来のすべての治療との本質的な違いである。「外気」そのものは物質と意識の両面性を持っている。これを正しく理解できなければ、気功研究は現象に対して納得できる結論を導き出すことができないわけである。
  第2、西洋医学の治療方針と異なって、気功治療は「全体」のバランスを重視する。この面では、気功と中国医学は同じルーツを持っている。西洋医学が「病気」を治療する医学とするなら、気功治療および中国医学は「人」を治す医学ともいえる。
  第3、気功治療は患者に触れずに治療できる。すなわち、非接触の方式で治療できる。物理の言葉で言えば、これは「場」による治療である。
  第4、気功治療のポイントは情報である。量より質、エネルギーを送るより情報を伝えることができる。
  このように、「気」 というものは物質と意識の二つの面を持っている。その意識性を無視することは、気功の研究のなかの最大の障害である。一方、「気」が物質性を持っている以上、現代の物質化学によりその物質部分を再現することも不可能ではない。

2、気功治療器開発の試み
  実際には、現代の電子工学、材料工学などを利用して、気功治療器またはそれに準ずるものを創ろうとする試みは、気功のブームに伴って活発になってきテイル。現代医学の先進地域としての欧米諸国では、気功の同じ治療原理に基づく治療器の研究がすでに注目されている。最近になって研究が進んできたホメオパシー( HOMEOPATHY=同種療法 )やサイマティック( CYMATIC=音響療法 )などは、その例である。
  サイマティックは、音響、振動、波動など「場」の成分や特徴を利用して病気を癒す方法である.その最大の特徴は、単一である単純な信号(周波数振動、電圧、電流)を用いたり、ツボに対して単一の刺激を与えたりするのではなく、疾患の部位や症状によって個々に異なる複数の周波数の調和音(波動信号)を用いて、乱れた秩序(疾病)に本来あるべき「複数の音」(波動や振動)を与えそれを矯正し、治癒力を高める点にある。
  中国では、それに先立って、気功の治療原理に基づく治療器の研究がこの数十年にわたって続けられ、すでに大きな成果を挙げた。その中で特に成功を収めたのが、「場」の治療器としての「周林バイオスペクトル治療器」( ZHOULIN BIOSPECTRUM HEALTH CARE SET、以下はWS治療器と呼ぶ)である。

3、国際エイズシンポジウムに登場した唯一の理学治療器
  エイズは今世紀の後半に発見された人類を脅かす厄介な病気である。世界各国の医学会や製薬会社はその治療薬の開発に巨額の投資を行っているが、有効な薬や治療法は未だに見つかっていない。
  この医学、科学の難問にチャレンジした家庭用の簡単な理学機器がWS治療器である。
  1992年7月、オランダで行われた第8回世界エイズシンポジウムに、中国発明協会副主席、雲南生物医学工程研究所所長の周林氏は、WS治療器によるエイズ臨床治療の結果を報告した。これは国際エイズシンポジウムに登場した唯一の理学治療器であった。
  会議の期間中、エイズに罹っている1人の金持ちのアメリカ人が周林氏に出会った。エイズに苦しんでいる彼は、全財産を処分して人生最後の旅をしようとしていたときのことである。ところが、WS治療器の治療を受けて、症状が迅速に改善された。彼は、今となっては財産を処分したことを後悔していると語った。
  周林氏のアメリカで行われた臨床実験によると、免疫のCD4細胞(T4細胞)が200個/ミリ立方メートル以上ダル早期および中期エイズ患者に対しては、WS治療器の治療を通じてCD4細胞を正常のレベルまで回復することができる。後期のエイズ患者にとっては、体内免疫システムが徹底的に破壊されるので、CD4細胞ははっきりした増加は確認できないが、症状を改善することができる。
  また、WS治療器破綻にエイズを治療するためのものではなく、風邪からガンまで多くの病気に治療効果が報告されている。筆者の知人の身内が帯状疱疹日課って病院での治療を受けたが,激しい痛みは取れなかった。半年の間、毎晩鎮痛剤と睡眠薬を飲まなければ眠れない。そこで、この治療器を個人輸入で中国方購入した。使ってみると、その日は薬を飲まずに熟睡できたという。
  このように、WS治療器は人間が患っている多くの病気に対して、安全、有効かつ安価に治療できるので、世界中から高く評価されている。
  今日の技術高度発達の時代に、一つの家庭用の理学治療器が高く評価されることは前例がないといってよい。では、いったいそれがどうやって発明されたのか、また、その秘密はどこにあるのか述べてみたい。

4、バイオスペクトル(生体輻射)とは
 (1)生命のメロディー
  周知のように、分子や原子のレベルで見れば、人間の身体はさまざまな分子と原子および微粒子のかたまりである。
  現代物理の法則によると、−273.15℃より高い温度環境におけるすべての原子や分子は振動を起こし、周りにその物質のもつ特有の波長で電磁波を輻射する。当然、多くの種類の分子と原子および微粒子からできていて、かつ30数度の体温を持っている人間の身体も、常に周りに電磁波を輻射している。図1のように特殊能力を持つ人にはそれがオーラに見える。
  健康な状態では、人間の身体を構成する各種の分子や原子などが自分の持っている周波数および周りと調和したエネルギー強度で振動しつづけ、周囲へリズムのある電磁場を輻射する。全体からみると、まるで一曲の美しい生命のメロディーのようにバランスよく響く。その波長とエネルギー強度を測ってみると、人間特有のほぼ一定の波形を示し、これはバイオスペクトル分布と呼ばれる。
   人間が病気にかかると、物質的なアンバランス状態が現れてくる。例えば、炎症を起こしている場合には白血球の数が増え、糖尿病の場合には血糖値が高くなる。それらは病院の検査で物質面のデータとして現れる。同様に、もしその患者の電磁波を測定すれば、バイオスペクトルの異常も発見できるわけである。これは病気による身体のエネルギー的なアンバランスである。図1のように特殊能力者はオーラの異常が見える。また、気功師はよく自分の手や目、身体で患者のエネルギーの異常を察知して病気の場所と程度を判断する。つまり、身体のエネルギー状態で病気を調べることができる。さらに、そのエネルギーのアンバランス状態を改善することによって病気を治すこともできる。気功治療は現代の科学理論で解釈すれば、エネルギーと情報の「場」の治療に当たっているのである。
 (2)エネルギー治療のポイント
  病気のとき、分子や原子のレベルから見ると、その患者の身体の一部の原子、分子または細胞が何らかの原因で、エネルギーの不足あるいは亢進(強すぎ)の状態に陥っている。そのとき、言い換えるなら、生命のメロディーの中にいくつかの不協和音がある状態である。もし、それらの原子や分子または細胞のエネルギー状態を周りの細胞と調和した状態に戻せば、病気も治る。
  では、どうやってそれらの原子や分子などにエネルギーを送るか、どうやって細胞とコミュニケーションするか。物理的にはエネルギーをベルの場所に送る方法がたくさんある。しかし、生きている細胞にとっては吸収できないエネルギーをいくら送っても役に立たない。へたに送ると、細胞を焼き殺す危険もある。すなわち、エネルギーがなければ人間は生きられるとは限らないのである。それらをいかに有効的に吸収させ利用するかが、現代医学の大きな問題である。例えば、しもやけの場合、患部のお温度は22℃まで下がるが、治療に当たって、ただ物理的に温めるだけでは治らない。循環障害がおきて細胞や組織の機能が低下しているからである。治療のポイントは、患部の温度を上げることよりも細胞や組織の機能を強化することである。では、どうやって細胞に直接利用できるエネルギーを送ればよいのか。ここに、物資の振動周波数に関してもう一つの物理法則がある。
  ある物質の輻射スペクトル(波長)と吸収スペクトルは同じである。
  ということは、人間の体を構成している分子または原子は、同種類のものから輻射したエネルギー、すなわち自分と同じ波長をエネルギーはうまく吸収できるが、自分と異なる波長のエネルギーはほとんど吸収できない。これは図2に示したように、ハーモニカのリードは自分と同じ音を出した振動エネルギーはうまく吸収して共振を起こすことができるが、他の音階のリードは共振できない。これと同じく、人間細胞は自分と同じ波長の電磁波を受けると、そのエネルギーを吸収して細胞内の原子や分子などが共振を起こし、活性化と均衡化を生じる。
  もし、患者の患部、あるいは関連のツボに健康な人のような電磁波を照射すると、そこに共振がおき、正常な波長に戻る。それによって、病気が治る。図3のように、WS治療器は、周林氏によって開発された特殊の材料を用いて、健康の人にきわめて近似した電磁波を発生することができる。これがWS治療器の秘密である。
  要するに、1.WS治療器は近赤外線からマイクロ波まで広い波長分布を持っている。そのため、人体を構成するほとんどの細胞や組織はそのエネルギーをうまく吸収することができるのである。2.各波長の持っているエネルギーの割合は健康な人の自然のバイオスペクトル(生体輻射)とよく一致する。したがって、各細胞を組織をバランスよく活性化することができるのである。
  そのため、この治療器をバイオスペクトル(生体輻射)治療器と名づけた。このバイオスペクトルを人に当てると、1)新陳代謝を促進、2)気血めぐりを改善、3)免疫機能を高め、4)自律神経、体液システムを調節するなどのような効果が得られる。つまり、WS治療器の照射によって体の自然治癒力が高められるので、健康の回復と病気の治癒につながる.この観点から、WS治療器は現在最良の自然治療方の一つとも言われている。

5、バランスこそ自然療法である
  (1)従来の電磁は治療器の欠点
  波長の成分から見ると、WS治療器から出したエネルギーの大半は赤外線の領域にあるが、その治療効果は従来の赤外線治療器と比べものにならないほど高い。また、従来の赤外線治療のような副作用もない。それはなぜか。
  その最大の違いは、バランスが取れているかどうかのところにある。
  WS治療器に比べ、一般の赤外線治療器やマイクロ波治療器は、波長の分布が狭いうえ、各波長のエネルギー分布も人の電磁波の分布に一致しない。つまり、人間にとってはバランスのとれていない電磁波なので、症状に応じて使わなければならない。また、使いすぎると、副作用が出る恐れもある。というのは、波長範囲が狭いので、その波長に合う人体組織の一部分はそのエネルギーによって活性化されるが、その波長と一致しない部分はそのエネルギーを吸収できない。身体のエネルギーの不足の部分がちょうどその波長にあっている場合、治療効果がはっきり見えるが、そうでない場合は、ただの温熱効果しかない。そのため、健康に対する効果が限られている。また、このような成分の偏っている電磁波はの照射が長すぎると、かえって、身体のエネルギーのアンバランス状態を引き起こすおそれもあるので、従来の赤外線治療器の照射時間が30分以内に限定されている。
  (2)放射能は悪者でもない
  このバランスを重視する観点こそが、気功治療の出発点である。
  このごろ、自然に回復する考えを持つ人が増えてきた。さまざまな自然療法も人気を呼んでいる。磁気療法に磁気リングから磁気マットまでいろいろある。そして磁場の強さがいつも商品の性能としてアピールされる。自然食に蜂蜜の巣、蟹の殻など次々と発売された。「自然療法=自然のもの」「自然のものなら量が多いほどよい」というニュアンスのコマーシャルは毎日のように人々に訴えている。
  果たしてこれは本当なのか。知り合いの1人は肩こりになったのでライマを買ってつけた。しばらく経つと、肩こりが軽くなって利いたらしいが、そのままつけつづけると、肩こりが再びひどくなった。このことを友人にはなしたら、「ライマをはずしたら」と冗談半分に勧められた。それで勧められた通りにライマをはずしたら肩こりは治ってしまった。これはどういうことだろうか。
  はじめてその磁石はちょうど彼の弱っている部分の磁気を補い、全体のバランスをとっている方向に持っていく。そのため肩こりが一時期によくなったが、続けてつけると、今度は磁気が強すぎて再びアンバランスの状態になるので、肩がまた痛くなったのであろう。これは磁石の副作用である。ところが、そのライマをはずしたら、身体の磁気的バランス自然に回復してくるので肩こりも治った。
  これは最近の自然療法の典型的な症例である。磁石は自然のものであるが、バランスをとれなければ副作用を引き起こすこともある。極端な例を挙げてみよう。原爆による放射能の恐ろしさはよく知られているが、放射能そのものは絶対悪ではない。自然のなかのどこにも放射能は存在する。一定量の放射能がなければ人間は生きていられない。しかし、人間に必要なものだから、多いほどよいと思ってしまったら、またひどい目にあう。問題はバランスである。磁気も自然食も同様で、多いほどよいのではなく、バランスをよくすることが一番大事である。バランスこそ自然なのである。

6、バイオスペクトル医学のこれから
  (1)21世紀の医学の条件
  アメリカの財政赤字はすでに世界経済に悪影響を与えている。その赤字の一つの大きな原因は重過ぎる医療費である。その削減をめぐって、クリントン大統領がアメリカ議会と何度も激しく衝突した。日本の場合、国民医療費は14年で倍増し、95年度に約26兆円に達して、12億人口を持つ中国の国家予算よりはるかに上回っている。それにしても、わが国の94年度1815の健康保険組合の赤字額は815億円とかご最高であり、全国にある約1万の病院の7割あまりが赤字であった。日本の医療費も、国や国民一人ひとりが負担しきれないほど重くなっている。
  一方、医師が行っている医療で、実際に治る病気というのは全体の約20%ほどでしかなく、残りの80%は医療費を湯水のように浪費しているといわれている。ということは、この巨額の医療費の大半は効果なく無駄になったということである。さらに、新薬が開発されてからまもなく、副作用により中止せざるを得ないことがしばしば起きて、薬害訴訟もよく報道される。薬害の問題はすでに身近な問題になっているのである。したがって、21世紀の医学は、@有効性、A低コスト、B無薬害、という三つの条件が欠かせない。
  (2)新たな医療分野
  よい治療効果と家庭向けの価格および副作用がないといわれるWS治療器は、上述の三つの条件を充たす数少ない医療器具の一つであり、21世紀向けの医療とも言える。
  実際には、WS治療器はすでに一つの医療器具の発明の域を超えた。伝統の気功中医理論と現代ハイテク技術が結び付いたこの画期的な発明は、バイオスペクトル医学という新しい医療分野を切り開いた.95年10月に北京で開催された中国医学会主催の第三回全国バイオスペクトル医学シンポジウムにWS治療器に関する126の論文と臨床実験報告が提出された。医学基礎研究のほか、全国の数十の国立病院から喘息、糖尿、慢性肝炎、慢性前立腺炎、心臓病、脳出血、胃腸炎、帯状疱疹、神経性皮膚炎、皮膚潰瘍、湿疹など内科から外科まで、一般の病気から難病までの約50種類の病気に対す医療効果が確認された。
  また、病気の治療だけではなく、健康に対する増進効果は多くの使用者から報告されて、健康を増進する保健分野にも明るい将来性が見えている。マウスで行われた基礎研究の結果から、WS治療器の照射を受けた動物の体力が増強され、また宇宙の失重状態のような厳しい環境に対する適応性も高められたことが確認された。これらの新たな医学領域の研究は、すでに新しい医療分野として確固たる地位を築きあげた。これから、欧米医学会の研究結果に併せ、このバイオスペクトル医学の領域はさらに発展・拡大していくにちがいない。
  (3)バイオスペクトル治療と気功との違い
  WS治療器の治療思想は、気功の理論をルーツとしている。また、その登場も気功のブームと同時期である。それがはじめて登場したとき、よく「気功治療器」と呼ばれた。それらの共通点についてはすでに述べたがここでその違いについて簡単に説明したい。
  気功の驚異的な治療効果はすでに広く知られ、かつ認められているが、気功そのものが病気の治療方ではなく、身心(肉体と精神)の修練方法であり、宇宙、生命の究極の存在のありように対する認識手段でもある。それに対して、WS治療器はあくまでも治療器である。
  また、気功師の出した「外気」は、物質性(エネルギー)および意識性(生命の情報)の統一である。現代の科学技術のレベルでは、生身の気功師から出した「外気」の中に含まれた、生き生きとした生命の情報を発生する装置をつくることはまだできない。しかし、外気の中に含まれた物理の因子やエネルギーの波動と類似する電磁波を発射する治療器をつくることはできる。WS治療器はこのように人間の出した「外気」の物理成分を成功にまねたハイテク機器である。そのために、WS治療器から出した電磁波は気功の「外気」とよく似ていると言われている。
  もちろん、「外気」の物質的エネルギーしか発射できないWS治療器の治療効果は、生身の気功師の「外気」治療の効果と同日の論にはならない。しかし現在、すぐれた「外気」治療の腕をもつ気功師の人数はきわめて少ない。また、社会的規模で気功治療を行う医療体制を整えることはまだできない。その代わりに、バイオスペクトル医学の発展はすべての人に気功の「外気」治療に準ずる治療を受けるチャンスを与えることになるであろう。
  このような周林氏の実績に対して、世界保健機関(WHO)の公衆保健部長は「周林氏の発明は、人類とくに発展途上国に対する大きな貢献である」と高く評価していることを最後に書き添えておきたい。

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