廖赤陽の気功部屋 無為気功養生会の公式ホームページ
秋の養生と薬膳 
一 養生と気候の関係
二 食べ物に関しての「四性」、「五味」10月10日、「秋の養生と薬膳」の活動を行いました。
主な内容のまとめです。
一.養生と気候の関係
気候という言葉:天地の気の動きから言えば、五日ごとにひとつの小さな変化があわられる、これは「一候」といいます。15日、すなわち三候ごとにひとつの大きな変化が現われます。これは「節気」と言います。日本で言う節分は、節気のことです。「気」と「候」をあわせて、「気候」といいます。そして、六つの節気はひとつの「季節」を構成し、これは、春夏秋冬です。いずれも旧暦を使います。節気は、農業活動と深い影響を与えています。例えば、種まきの季節を一日遅れただけでも、大きな減収となります。人間は地球上の生き物である以上、その生理活動は節季に大きく影響されています。そのために、養生は節気や季節の変化に順応しなければなりません。二千年前の養生学の経典『黄帝内経』はその基本原則を提出しました。これは「春と夏は陽を養い、秋と冬は陰を養う」ということです。なぜならば、春と夏は万物が生長・繁栄の季節であり、「陽」の気が盛んであるからです。しかし、人体から言えば、外は暑くなる(陽)と中はその逆冷たくなっています(陰)。ちょうどう冷蔵庫と同じ原理です。しかし、天気が暑くなると、皆がよく冷房を使い、また氷水を飲みます。これらの冷たい物は陰に属し、こうなると寒気が体内に集結し、秋と冬になると、外の天気も寒くなって来て、病気にならない人がいません。これは、春夏には陽を養うべき原理です。
それでは、秋の養生はどうすればいいでしょうか。秋と冬は収蔵の季節です。したがって、陰を養うべきです。食べ物から言えば、辛い物など、外に向けって発散する性質のものは避けるべきでしょう。そして、酸味のような、収斂する性質のものは食べると、より吸収しやすいです。
秋には、立秋(今年は8月7日)、処暑(8月23日)、白露(9月7日)、秋分(9月23日)、寒露(10月8日)、霜降(10月23日)、という六つの節気があります。天から陰(冷たい)気が下がってきて、おおよそ乾燥しているが、前半は大地の気がまた暑いので、湿気も多いです。この季節の飲食の基本原則として、肺を潤す、「津液」(広い意味での人体内の水液)を生かすようなもの多く取り入れるべきです。例えば、梨、百合、蓮根、銀耳など。しかし、こういったものは概ね「涼」(冷える)の性質を持っている、食べ過ぎると、肺を冷えて体がむくんでしまう恐れがあります。秋はまた吸収の季節であり、栄養を多く補充すべきです。
二.食べ物に関しての「四性」、「五味」
何を食べればよいか、何を食べれば悪いか、このようなワンパッタン思考ではなく、食の養生を考えるときに、「四性」・「五味」とそれぞれの人の体質、節気などを総合的に考えなければなりません。いわゆる「四性」とは、食べ物を持つ「熱」、「温」、「寒」、「涼」という四つの性質の事を指しています。そして、「五味」とは、「辛、酸、甘、苦、塩辛い」のことです。
三 秋の薬膳のメニュー
以上の原理に基づいて、今回は次のようなメニューを設定しました。
菊花酒

菊黄(菊の花の酢和え)
蟹紅(蟹味噌)

五福果盤
銀杏

紅棗

落花生

栗

腰果

洋焼排骨(スベアリブの酢焼き)
銀杏鶏丁(銀杏の地鶏炒め)

銀耳蓮子百合粥

香酥山芋(山芋の揚げ物)
桂花杏仁豆腐(アンズ、金木犀の甘いデザート)

養顔仙露(一指禅門内の養生美容飲料)

地黄(じおう)

ゴマノハグサ科の多年草。中国原産。薬用に栽培。根葉は長楕円形で、皺(しわ)がある。
初夏、高さ約20センチメートルの花茎の先に淡紅紫色の花を数個横向きに開く。根茎は黄色で肥厚し、漢方で補血・強壮・解熱薬とする。アカヤジオウ。サホヒメ。
【性 味】味:甘・苦(熟地黄は甘)、
性:生地黄は大寒、干地黄は寒、熟地黄は微温。
【主成分】地黄素、ブドウ糖、鉄分、ビタミンA、など
【効能効果】生地黄は涼血、よって各種の血の邪熱よる出血症に用いる。
干地黄は滋陰、生血、涼血(陰を滋養する。血液の生成を促進。血液の邪熱を冷ます)
熟地黄は補血、補肝腎(肝腎を補う、血や陰を滋養する)。
生地黄:新鮮なもの。
干地黄:干したもの。
熟地黄:酒と砂仁と混ぜて、蒸すと天日干す、9回繰り替えしたもの
甘菊花

【性 味】味:甘・苦、性:平和。
【主成分】香気成分カルボキシリック酸、ラムノグルコシド、アピゲニングルコシド、 アデニン、コリンなどを含みます。
【効能効果】四季の気を受けて(冬は苗、春は葉、夏はつぼみ、秋は花)、金や水の精気をたくさん得ているから、肺や腎に有益で、心や肝の亢進を抑制できる(「能益金、水二臓、以制火而平木、木平即風息、火降即熱除」『本草備要』より)。
臨床では、風熱の表証の発熱・軽い悪風寒・咽痛などに用いる。火熱による目の充血、精血不足による視力減退・目のかすみに使う。内風のふらつき・めまいに使用する。老化防止する効果もある。
レンコン
【性 味】味:甘、性:生は涼・熟は温。
【主成分】澱粉、タンパク質、ビタミンC、クサスギカズラ素(天門冬素)など、栄養価値が高い。
【効能効果】生食:清熱解渇、涼血止血(内熱を清め、のどの渇きを解消、血液の邪熱を冷ます、よって出血を止める)。生の汁を服用すれば、煩わしい気分を解消できるし、食欲を増進する。口の粘り不快感を解消。
熟食:健脾、養心、和血。(脾の機能を健全させ、食欲を増進、心を養い、血液を調和する)。煎じた濃厚な汁を服用すれば、陰虚による肝機能の亢進状態や、内熱による血液の消耗などを治れる。血を補い、気を通る。常に食べれば、歓楽になり、怒ることがなくなる
銀杏
【性 味】味:甘・苦・澀、性:温平。(帰経:肺)
【主成分】タンパク質、脂肪、炭水化物、カルシウム、リン、鉄、カロチン、ビタミンB2 、多種のアミノ酸、など。
【効能効果】斂肺益気、止咳平喘(肺を温め、肺の気を収斂させる)。
臨床には、喘息、尿漏れ、こしけ異常などに用いる。
【使用注意】軽度の毒性があるので、過量に服用してはならないし、また長期間服用すべきではない。特に小児は、大量に服用すると中毒をおこしやすい。食べ過ぎるとお腹がはる(収斂しすぎ)。小毒があるので、よく火を通してから食べる。
栗
【性 味】味:甘、性:温。(帰経:脾・腎)
【主成分】糖分、澱粉、タンパク質、脂肪、ビタミンB1、ビタミンB12、など。
【効能効果】厚胃腸、補腎気(胃腸を丈夫させ、腎の気を滋養する)。
腎虚による腰痛や、脾虚による腹下りなどよい効果がある。
【使用注意】小児は食べ過ぎない。便秘者には不適。
蓮の実

蓮の果実。蜂(はち)の巣に似た半球形の花托(かたく)の穴から、黒く熟した実が跳ね落ちる。未熟のものは軟らかで甘味があり、生で食べられる。また、乾燥したものは菓子の材料などに用いる。[季]秋。
【性 味】味は甘・澀、性は温。
【効能効果】栄養成分が多い、食用価値が高い、昔から上品な健康食品として扱っている。脾の果。脾は中央土であるから、心(火)と腎(水)を調和することができる。ゆえに、「心腎不交」による動悸、煩わしい気分、不眠、腰ひざがだるくて冷える、男子の夢精、女子の夢交などの症状に効果がある。脾虚による下痢、女子の崩漏(ほうろう、不正性器出血。突然大量の出血を「崩」、少量の出血が持続するのを「漏」。)及び諸血病の治療にもよく使われる。
【使用注意】便秘がちな人には不適。
ゆり根

【性 味】味は甘・微苦、性は平。(帰経:心・肺)
【主成分】アルカリ性物質、澱粉、タンパク質、脂肪、カルシューム、燐、ビタミンB1、ビタミンB2 、ビタミンC、ニンジン素、など。
【効能効果】肺を潤し、心を安静させ、熱を冷め、咳を止める。臨床には主に心肺の疾患治療に用いる。精神安定作用があり、ノイローゼ、ヒステリー、イライラ、不眠などにもよい。肺を潤し、空咳、痰に血が混じるせきに効果がある。微量に含まれる苦味成分が痰の切れをよくする。カリウムが多いのでむくみにも効果がある。滋養強壮作用があり、病後の回復にもよい。
【使用注意】脾胃虚寒よる腹痛、下痢、及び風邪時不適。
山芋(山薬)
中国南部原産。日本でも栽培されるつる性多年草、ヤマノイモ科ナガイモの担根体。
【性 味】味は甘、性は平。(帰経:脾・肺)
【主成分】アミラーゼ、アラントイン、アルギニン酸、コリン、タンパク質、デンプン、ムチン、ヨウ素
【効能効果】脾を理め、瀉を止む。腎を益し、中を補い諸虚治すべし。下痢・久痢、脾胃の虚弱消渇、虚労の咳嗽、などに効果がよい。
クコの実 (別名:天精、地仙、仙人杖、却老)

【性 味】味は甘・微苦、性は平。
【主成分】ビタミンA,B1,B2,C・カルシウム・ベタイン・リン・鉄分・ゼアキサンチン・リノール酸・紅色色素・(フィサレン)
【効能効果】肝腎経に帰する。肺を潤し、肝を清め、腎を滋養し、気を益す。過労や、老化による身体の虚弱、陰液不足、などには重要な補益薬としている。現代では、脂肪肝、動脈硬化、高血圧、低血圧、また白内障、老眼などの治療にも使われている。(一日10cから15cくらいが適量)
*産地:枸杞の実は寧夏のものがもっとも良い。
寧夏(寧夏回族自治区)は、中国大陸の西北部、海抜1,000〜1,200mの高度高原であり、枸杞の実、スイカ、甘草、発菜(薬用菌藻植物)蓮根、大棗などの野生植物が豊富ですが、中でも枸杞の実は「紅宝」(赤い宝物)と言って重宝がられております。
銀耳(白きくらげ)
【性 味】味は甘淡、性は平。
【主成分】タンパク質、炭水物質、ナトリウム、ビタミンB、リン、カルシューム、鉄分、カリウム、など。
【効能効果】高級な滋養食品。心肺の疾患(肺結核、化膿性肺炎、動悸、高血圧、血管硬化など)、出血(鼻血、胃出血、血便、崩漏など)、疲労回復などによい効果がある。
【使用注意】風寒と湿熱による咳には不適。
蟹
【性 味】味:咸(塩味)、 性:寒
【効能効果】しこりをほぐし、排泄や身体を潤す。タンパク質が豊富である。
鶏肉
【性 味】味は甘、 性は温。
【主成分】タンパク質、脂肪、カルシューム、りん、鉄、ビタミンB1、B2 、不飽和脂肪酸、など。
【効能効果】五行の木に属す。虚を補い、脾胃を温める。虚弱体質や出産後の回復にはよい。
【使用注意】食べ過ぎると内熱を生じる。実邪及び邪毒が完全に取り除いてない場合は不適。
豚肉
【性 味】味は咸(塩味)、性は寒。
【効能効果】五行の水に属す。腎の気を補い、肝の陰を滋養し、胃液を充たす。美肌効果もある。
当帰(トウキ)

セリ科 Umbelliferae 当帰 Angelica
sinensis (Oliv.) Diels の根を乾燥したもの。【性 味】味は甘・辛、性は温。(帰経:心・肝・脾経)
【主成分】精油・子宮興奮性成分・蔗糖・ビタミンEなど
【効能効果】補血・行血・潤腸・調経。血の中の気薬(補気することによって
行血する)である。
子宮の機能調整作用、鎮静・鎮痛作用、利尿作用、ビタミンE欠乏症に拮抗する作用、抗菌作用。このほか、潤腸して通便し、肝臓を庇護して肝グリコーゲンの減少を防ぐ。子宮の発育を促進する作用もあるようである。
臨床では最もよく用いられる薬物の一つである。補血・行血が必要なときには、血証(血オ・血虚・出血などの総称)・虚証・表証・化膿症を問わず当帰を用いる。
【使用注意】肺陰虚・肝火旺・吐血が止まったばかりの患者などには使用すべきでない。当帰は活血の効能が強いので、性器出血過多には使用しない方がよい
もち米
【性 味】味は甘、性は温。
【主成分】タンパク質、脂肪、炭水化学物、カルシューム、リン、鉄、ビタミンなど。
【効能効果】脾の穀で、脾・胃の虚寒、多尿、自汗(じかん、着ているものや、労働に関係なく、しきりに汗の出ること)などによい。
【使用注意】粘滞で消化があまりよくないので小児・病人は注意が必要。
酒
酒の味は苦、甘、辛で、大いに体を温め、毒がある。薬の勢いを体中に巡らせ、様々な邪な気や悪毒の気を消す(以上、『名医別録』文)。
大変寒くて海が凍るときでも、酒だけは凍らない。(このことからも)その熱性がすべてのもので最も強いことが明らかである。薬を使う人の多くはみな、その熱性によって薬の勢いを体内に巡らせる。人が酒を飲むと、体を疲弊させ、意識を朦朧とさせるのは、その毒のためである。むかし三人の人が早朝に歩いていて霧に遭い、一人は健康なまま、一人は病気になり、一人は死んでしまった。健康だった人は酒を飲み、病気になった人は粥を食べ、死んだ人は空腹だったためである。酒の勢いは悪気を除き、食事に勝っていることがわかる(以上、陶弘景注文)。
酒(の原料)には、ブドウ、コウリャン、キビ、ウルチ米、アワ、コウジ、ミツなどがある。酒醴を作るには麹を使わなければならない。ただし葡萄と蜜で作る場合、麹は使わない。葡萄酒を飲むと体内の粘液が消え、しこりが消える。様々な酒には濃い、薄いの違いがあるが、穀類で作ったものだけを薬に用いる(以上、『新修本草』注文)。
唐政府が659年に編纂した『新修本草』(巻19)による
菊花酒(甘菊花、干地黄、クコのみ、当帰、もち米酒)
【効能】目や頭をすっきりさせ、血脈を暖めて、気血のめぐりをよくさせる。
【適応】体の衰弱による眩暈、目の腫れっぽい、ものをはっきり見えない、口や咽の渇き、だるい、多夢
【用法用量】一日10〜30ml、朝空腹の時に飲むのが一番よい。




