馬氏気功点穴療法の紹介
馬秀棠(ま・しゅうとう)医師のご紹介
1912年~2000年。中国山西省生まれ。
点穴を考案する前まで
馬先生の叔父は鍼灸と漢方の名人として知られた中医で、刺緒の絶妙なテクニックは深い印象を与える。
1941年 西安市で最も有名な中医である李王新年先生の門下に入り、太極拳、気功などを修得する。
1947年 西北地方の著名な針医である少亭先生の弟子となり、金針手法の秘伝を受ける。
2人の素晴らしい先生から秘伝を体得し、長い修行の結果、針灸、刺絡を極め、気功、太極拳にも通じるようになる。
30歳まで非常に体が弱かったが、30歳で練習しはじめた太極拳のおかげで、風邪も引かぬ体になる。
しかし、赤十字病院に勤務し始めた頃から、仕事が多忙を極め、練習を怠るようになり、1959年 肝炎を患う。
病院で3年間治療を受けるも、病状はかえって悪化し、「もう治療法はない」と宣告される。
その後、どこに行っても必ず朝5時に起き、1時間ほど気功の練習をし、2年後の1964年 体は完璧な状態に戻る。
それ以来30年、馬先生は気功を続けた。
点穴療法の確立
針を用いて治療を行なっていた馬先生が、針のかわりに指を使う治療法を考えた理由は、針に対して恐体感を抱いてる患者には針治療ができず、誰にでも使えるものではなかったためであった。
最初に考え出されたのは、針治療に対応した手法で、その後、気功・太極拳修練の体得をも点穴の手法としてまとめ、治療に応用。
更に有効な民間療法も点穴療法に融合し、独自の点穴療法を築き上げる。
自分自身と家族を患者と見立てて、その効果を確認した後、1956年 病院での治療に取り入れる。
その後、数10年に渡り馬氏点穴療法を発展させ、確立した。
1978年に発表された著書の『点穴療法』は、版を重ね、中国国内に数10万冊が発売されたほか、スペイン語、日本語に翻訳され、香港では点字版も出版される。
医療関係者はもちろん、家庭でもできる安全で優しい「ハリを使わないハリ治療」としても好評を博している。
馬氏気功点穴療法の特徴
中国での点穴療法は、「プロ」の治療法であり、素人が簡単に使える方法ではない治療法でした。
これに対して、馬氏の点穴療法は、素人でもすぐ有効な施術ができる優しい手技療法です。
特に基本手法は、極めて単純でソフトなもので、力の強弱や気功修練のレベルに関係なく使えます。
以下、点穴療法の3つの特長です。
方法は簡単で、マスターしやすい
「点穴療法」には多くの理論と技術が含まれており、全てを身につけるのは容易ではありませんが、「習ってすぐ施術できる」という特徴があるため、習いながら施術を続けることができます。
また、施術をする人は、体質や力の強弱に関係なく使え、施術を受ける人は、子供であれ老人であれ、誰に対してでもできます。
安全、無痛、誰にでも気楽に施術が受けられる
①ツボの選択の自由
針灸の場合は、禁止のツボがあるのに対し、点穴療法は全てのツボを無痛で利用できます。
②患者の体質と症状に制限を受けない
禁忌症(施術を受けてはいけない病気・体質など)がないため、どんな体質の人でも利用できます。
体の機能の調節と回復に重点を置き、ほとんどの症状に有効
馬先生の言葉を借りると点穴療法は、「先天(生まれつき人が持っている力)を強め、 後天(生まれたあとの力)を補うので、効かないはずがない」とあります。
馬先生のところには、風邪の人から、 難病の患者まで様々な人が来ていましたが、 その大部分は小児・婦人及び消化器系の慢性病患者でした。それは点穴療法が、体の機能の調節と増強に優れた効力を持っているからでした。